DESNOSについて詳しく書かれている本を紹介します。
杉山先生はこの界隈でとても有名な先生です。
被虐待児が発達障害に似たような症状を示すことから第四の発達障害と分類されました。
そして反応性愛着障害や解離、高機能広汎性発達障害、複雑性PTSD(DESNOS)についても触れられていて、この病態を子ども虐待の終着駅と比喩されています。
DESNOSについて詳しい本
子ども虐待という第四の発達障害|杉山登志郎
✳︎DESNOSとは?
→極度のストレスによる特定不能の障害で複雑性PTSDと同義と言われている
〈DESNOS〉
1.感情覚せいの統御における変化
○慢性的な感情の制御障害
○怒りの調整困難
○自己破壊行動および自殺行動
○性的な関係の制御困難
○衝動的で危険を求める行動2.意識の変化
○フラッシュバック
○解離エピソード3.自己意識の変化
○絶望感
○恥辱感
○罪責感
○自責感4.他者との関係の変化
○信頼の欠如
○引きこもり
○自己を守る機能の崩れ
○救済者ファンタジー5.意味体系における変化
6.身体表現性障害
(引用)
実に多彩な症状に見舞われるのですね。
またフラッシュバックを7つに分けて捉えていらっしゃるそうです。
○言語的フラッシュバック:虐待者から言われたことばが子どもの声として表出される
○認知的フラッシュバック:「自分は完璧でなければ死ぬかもしれない」「子どもは大人の召使いだ」などの考えが繰り返し浮かぶ
○思考的フラッシュバック:「自分は生きる価値がない」など自己否定の方向以外には考えることができないなど
○行動的フラッシュバック:遊びの中で行われるトラウマ再現や,突然だれかを殴る,暴れる,泣く,叫ぶなど
○生理的フラッシュバック:外傷体験の話をしているときに突然,体の一部の痛みやかゆみ,更に発赤(炎症などで局部が赤くなる)が生じる
○身体的フラッシュバック:過去に体験した頭痛や,心臓が締めつけられるような感じが繰り返し生じる
○精神症状的フラッシュバック:喪失体験が引き金で生じる突然の抑うつや,虐待者の「殺す」という声が聞こえるなど (引用)
私としてはへぇ〜!!あれもフラッシュバックだったのかぁ!と詳細に分類されていることに驚きました。
虐待は自分には関係ないと思う人の方が多いでしょうし、実際に関係ないのが一番です。
しかし当事者になってしまうリスクは誰でもあります。
子育てに限界を感じる前に、相談できる相手を見つけること。
「たすけて」と言える人を作ること。
そしてフラッといける依存先をふやすこと。
虐待は起こらない方が良いに決まっています。
しかし起こってしまって苦しんでいる子がいるのも事実です。
周りの大人は、トラウマによる心身の反応を頭に入れて子どもを見守っていくことが必要ではないでしょうか。